敷金の返還と原状回復義務

保証金の場合には、1定期間ごとに、1割前後が償却される例が多いようです。借主は、その償却された額をその時点であらたに差し入れて、その分を補充しなければなりません。ところで、敷金の場合には、このような条項を入れることができるでしょうか。最近、保証金と混同してか、そのような契約書が作られることもあるようです。結論としては、そのような契約条項も有効です。これは、いちじるしく借主に不利な規定というほどではないからです。要するに、当事者が合意でそのようにきめたことであり、これを否定するほどのことはありません。償却がきめられた場合には、償却された分は貸主白身のお金になります。いいかえれば、貸主は、その分については、賃貸借が終了しても返す必要がなくなるのです。その結果、敷金の額もその分減ることになります。この減った分は、補充するようにきめられているのがふつうです。つまり、償却された額を、追加敷金として新たに借主が差し入れられることになるわけです。します。このような場合でしたら、どうなる敷金と賀料同じことです。やはり最後の4かは別もの月間についてもヽきちんと賃料を払う必要があります。もっともこの場合には、どうせあと4か月しかないのですから、貸主にとって担保としての作用のうえでも、不安はないのではないかとも考えられますが、これとても確実に出て行ってもらえるとはかぎりません。契約が終わったのに出ていかない人がいることについては、ここでのべたとおりです。安心できません。また、もし4ヶ月後に実際に出ていったとしても。あとで調べたら、ぼうぼう痛んでいる簡所があるということもあるでしょう。そのような場合には、預かっている敷金の中から、その修理費用を出す必要があります。このように敷金は、賃料以外のものにもあてられる性質をもっているのです。いままで説明してきた敷金の担保としての性格を、よく理解しておいてください。なお、敷金の返還と原状回復義務については、後述します。敷金で担保される範囲まえに敷金は、貸主にとって担保としての意味を持っているとのべましたが、その担保される範囲は、どのようなものでしょうか。つまり貸主は、どのようなものを、敷金から差し引くことができるのでしょうか。まず賃料がこれにあたることはもちろんですが、その支払いが遅れたことによる遅延損害金もこれに含まれます。たとえば「家賃は1か月10万円とし、毎月末日までに翌月分を支払う」という契約があったとします。そして借家人が平成00年1月分の家賃を払わないままにして、その後の2月分から匸1月分までは支払い、その年の匸1月に出ていったとしましょう。